静岡県藤枝市は8日、先進的な老化制御研究を行う一般財団法人ASAGI Labs(長野県軽井沢町、代表:早野元詞氏)と連携協定を締結し、健康寿命の延伸に資する新たな商品・サービスの開発に乗り出しました。市は「健康年齢をより若く、健康寿命をより長く」を掲げる藤枝HALEバレー構想を進めており、今回の協定を構想推進の重要な一歩と位置づけています。
協定では、市内の有機農業やお茶など「食と農」の資源と、ASAGI Labsが進めるエイジング研究の知見を結び付けることで、老化対策のヘルスケア商品やサービスを共同開発します。市役所で行われた調印式には北村正平市長と早野元詞代表が出席し、双方が連携強化への意欲を示しました。
早野氏は、老化速度や身体機能低下の一因がエピゲノムにあることを突き止めた研究者です。エピゲノムとは、遺伝子の「使い方」を調整する仕組みで、酵素反応や遺伝子編集などで操作が可能とされています。同氏は、医薬品や食品を通じて老化を治療できる可能性があると説明し、エイジング対策は効果を数値で示しやすく産業化に向くと見ています。
藤枝市は、健康関連の新産業を育てるには科学的根拠に基づく研究開発が不可欠と判断し、老化制御の社会実装を目指す同財団との協力で意見が一致しました。今後は、革新的な商品・サービス開発に加え、健康で質の高い長寿を意味する「ロンジェビティ」の共同研究、市民の健康生活やウェルビーイング向上に向けた施策でも連携します。
北村市長は、今回の連携を藤枝HALEバレー構想の大きな前進と位置付け、心身ともに元気で活動的な人生を楽しめる環境づくりを目標としています。早野氏は、健康寿命の向上が持つ経済的価値に言及し、国内外の研究ネットワークを活かして藤枝市をエイジング研究と健康長寿産業のグローバル拠点に育てる考えを示しました。今後の共同研究の成果と、それに基づく具体的な商品・サービスの展開が、地域経済と市民の健康指標にどこまで影響を与えるかが注目されます。
source: PR TIMES
